〆ゴジラ・ファイナルウォーズ 「地球にはお前たちが知らないものが二つある…。」
「一つはオレ、そしてもう一つはゴジラだ」
お前かよ!と当たり前にツッコミを入れてしまった、劇中でドン・フライ演じるゴードン大佐(声:玄田哲章)が侵略者に対して布告する迷セリフ。ゴジラ映画じゃなかったら、ゴジラとオレが逆なんだと思うのですが、とにかくこのおっさんが熱すぎ。サムライですよ。なぜか日本刀で戦ってますし(艦長席で日本刀構えているのも無闇に熱い)、最後の戦闘でわざわざ武器を放棄し「素手でやろうじゃねーか。」とアイコンタクトで挑発するあたりは、ほとんどラオウ。
敵宇宙人も銃を捨てて応えるのが潔し。艦長として指揮ぶりは「吶喊せよ!」の一事のみで、一点の曇りも迷いもない堂々とした姿は、ビッテンフェルト+ネモ船長。敵の要塞に突っ込むシーン(敵、バリア展開→小型機で進入&ジェネレーター破壊→吶喊)の流れも、Nノーチラス号VSレッドノアまんまですし。+ラオウ属性なので、ある意味、松岡が務めたミュータント(人間なのに怪獣を仕留められる)より、人として超越している部分があったような気がします。
北村一輝演じる敵のボスも、ゴジラに手下の怪獣がやられると「だぁぁああーー!!」と全身全霊をもって悔しさを表しながら、即、「ハイ次。」とアッサリ立て直したりで、クスリ決めてラリッてるとしか思えないテンションの上げ下げが、ホントに笑えます。ケイン・コスギ(「おれはエビがキライなんだ」はマジ笑った)や船木誠勝など、配役においても笑いを誘う出演者が多数<演技も笑いましたが。
で、一応タイトルは「ゴジラ」なので、怪獣がバトルしてるんですが、怪獣が描かれていたのは全体の1/6くらいだったかと思います。それもマウントポジションでパンチパンチ!なバーリトゥードだったり、ボレーシュートを放ってキーパー(ゴジラ)が防ぐようなサッカー調だったり、もうやりたい放題。ジェットストリームアタック破りのような描写もあり、ゴジラ超俊敏。なんの前触れもなく現れるモスラとか、そんな怪獣いたの?というものまで、短い時間の中、いろんな意味で大暴れでした。
個人的には、改良ガイガンVSモスラがベストバウトかな。モスラをビームで焼いた後、「ビシッ!」とポーズを決めた背後で大きな爆発がドカーン!という、まさに戦隊モノで正義の味方が必殺技を決めた構図
。「成敗!」とか聞こえてきそうな華麗さで決め(←注:敵の怪獣です)です。しかもそのポーズを決めた直後に、背後の爆炎から飛んできたカッターで「シュパーッ!」と首を落とされる展開が、もうありえない。
1シーンごとのカット数も多いし、やたらと唐突に場面が入れ替わるので、観客置き去りなくらいの猛烈なスピード感がありました。たった2時間の映画なのに、「ああ、お前いたねー。」と思い出すシーンが数えるほどあるってどういうことよ。どこまでが本気でどこからが冗談なのか、もうわかりません。EDもムリヤリですし、最後にトップガンみたいな曲が流れてなし崩し的に終わってしまうのも力業以外の何者でもないですね。
鑑賞前に見た批評から期待しすぎた部分があったためか、僅かに物足りない感もありましたが、チケット代は十分元を取れたと思います。ゴジラ映画の最後でホントに良かったの?という懸念が盛大に残りますが、これだけやればもう思い残すことはないのかも。
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−購入− |
『とある魔術の禁書目録』 鎌池和馬
うーん…。このシリーズもそろそろ限界なのかな。物語における必然税や関係性がだいぶ破綻してるなぁ。はじめの頃はもっと芯が通っていたし、多少の粗を補って余りある勢いがあったんですが…次巻に期待。 |
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