〆バジリスク〜甲賀忍法帖〜
20話「仁慈流々」

3対3。
回想編からスタートですが、予告にも出ていた白髪の女性は誰かと思えば、お幻っすか。天正伊賀の乱が精も根も果てるほどの戦いであったという証明か。さらに天繕の疑わしさときたら。和睦へ向かっていた甲賀と伊賀の関係を壊すために信長を伊賀に引き込んだのはもしや…?と思わせる展開だなぁ。

弦之介の苦悶。
人別帖の仲間を消していくときによぎる思いは、甲賀の仲間への追悼だけではないのがよくにじみ出ております。
伊賀を追い込むことで禍々しい微笑を浮かべる陽炎が対照的。天繕(左衛門)との並びのカット(中央の2枚)も実におもしろい。画面の手前と奥の入れ替わり,夜中の屋敷内:明け方の表,右向き:左向きという対照。双方のシーンにおいて話の主体がどちらかであるかや、セリフの方向性など、画だけで表現されていることが、比べてみるとよく判ります。

朱絹ちがうー。
変化忍者の本領発揮。堂々と敵陣へ乗り込む左衛門の強み。このニヤリと歪む唇を見ているとモンテクリスト伯を思い出さずにはいられず。もうたまりませんて。

笛まだあったー。
弦之介が鍔隠れの屋敷に置いていった笛、長い伏線だなぁ。本当の天繕だったら、一も二もなく捨てられそうですが、この告白を左衛門にしてしまうところがドラマです。
目を封じられたのは弦之介より先でしたが、甲賀方にその事実がバレていなかったネタバレも、遅まきながらやっと。そして、暮れなずむ夕日の光と影の中に現われるは!緊張感を高めるために、全身をアップにせずピンポイントでカメラを絞るのは基本中の基本というのもよくわかります。

あーあー、誘い出されちゃったよ。
天繕(左衛門)によっておびき出された朱絹。2対1のつもりが、実は1対2であるともしらずに…。原作ではあっさり殺されていましたが、アニメではかなり長くアクションを描いていました。後に描かれる左衛門のやりきれない気持ちがためらわせていたのかな。にしてもただでさえ、くノ一同士の派手なアクションてのはそれだけで目を引く中、朱絹の鬼気迫る表情といい、美貌極まる陽炎の凄みといい、見応え充分。血霞まで使わせてしまうのはどうかと思いましたが。

ジ・エンド。
天繕(左衛門)の術を見破れなかったところで既に、オマエはもう死んでいた。今まで死した忍者の中でも、最上の苦悶、と言えるような凄まじい死に顔を描いてくれるものです。最後に天繕(左衛門)を見つめるときに穏やかになる表情と、その視線を受けてなんともやるせなく、痛々しい表情を見せる天繕(左衛門)。敵の死に動揺する展開は、完全オリジナルで(原作では何の感慨もなし)、これは実に意外。
蛍火との戦いの後も感情的に描かれていましたが、恋愛で悩む弦之介とは違ったアプローチで争忍の中で浮ぶ葛藤を描こうとしているのか。次回の結果を鑑みて興味深いところ。

妖艶を通り越した笑み。
陽炎の凄惨ともいえる微笑が怖い怖い。夕日と暗くなり始めた空と真っ赤な口紅のコントラストもまた良し。
朱絹の手配だったのか、弦之介の笛が朧に届けられたのも、この先のポイントか。相見えるところで小道具としてどう使われるか楽しみです。

にーげーてー。
一転、天繕(左衛門)大ピンチ!口元の歪みでゾクゾクするのは今日3度目。傘を被っているヤツの声が誰であるかを思い出せるや。また美味しいヒキで終ってくれるぜバジリスク。
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