2001 2002 2003 2004 2005 2006
 
睦月
 
如月
 
弥生
 
卯月
 
皐月
 
水無月
 
文月
 
葉月
 
長月
 
神無月
 
霜月
 
師走
 

index
     

   9 30 (土)   弘法も筆の誤り。

 
彩雲国物語 第22話「命あっての物種」
 −脚本:藤咲あゆな 絵コンテ:鎌倉由実 作画監督:河△延(△さんずいと充からナベブタのない字)  演出:篠原誠−
 茶州へ赴任ー……しねぇぇぇぇ。行程長すぎ。そして危険ありすぎ。
 王が任じた州官が、まともに赴任できないてどういう国だこれw 無事州都へ着くことがまず第一の仕事てw 普通に一個中隊くらいの軍を率いていくのが妥当じゃないのかな。襲撃を悉く撃退する話もリアリティがないし、州境の関所で秀麗達と同年齢の旅人を、悉く収監しているという話にはおもいきり噴いてしまったw
 野宿といってもその過程は描かれないし、一ヶ月の経過時間をおもいっきりスキップして話を進めているので、旅の苦労度もいまいち伝わってこない…うーんw
 香鈴の謝罪イベントが辛うじて話を盛り上げてくれたかな。影月にはツンで秀麗にはデレな様子だけど、年齢からしても後々には影月といい仲になりそうな気がしないでもないですが…。
 とりあえずは来週にあるだろう、州都到着イベントに期待したい。
 



 

   9 29 (金)   今季の〆。

 
¢うたわれるものらじお 第13回
 サーバーつながらNEEEEEEE!!

 
ZEGAPAIN 第26話「森羅万象(ありとあらゆるもの)」 
 脚本:関島眞頼 絵コンテ:下田正美 作画監督:大貫健一(キャラ) 西井正典(メカ) 福島秀機(CG)
 演出:工藤寛顕


 
 ラストー。
 キョウのリセット以前の記憶が甦り、やっと1話の別れに回帰できました。紅葉の朱あ鮮やかな風情のある情景と、無機的で冷たい月面の色彩もセンスが光っているなぁ。しかし、決定的なきっかけがないまま(今まで前触れはあったものの)、本人の宣言だけで記憶が甦る安易さがわからない。シズノの正体とキョウの記憶がセットであり、第一話の別れに回帰する展開は、本作のスタートでありゴールでもある要所中の要所なのに、その記憶が甦る
過程が省かれ、理由が希薄というのは、ちょっと勿体ないな。
 先週、密かに動いていたクリスはフリスベルグでブリッジへ強襲。熱い。オケアノスを自爆させた後には、アビスが追撃ときて、前話の敗走で終わるなんてことはなかった。最終回はこうでなくては。
 しかしながら、先週の話で少し落ち着いた(一歩引いてみるようになった)せいか、今までの話から筋が繋がらず、若干の粗が見えてしまったりも。
 アビスはキョウをライバル視していたけど、あそこまで執拗にこだわる理由がイマイチわからないんですよね。シンにしても、一度はカミナギと触れ合うけど、その後は何もないままで関係が希薄だった(結局、シンがカミナギに与えたものもなんだったんだろう)。もう少し交流があれば最後を看取るシーンに、ぐっと深みが出たし、その意味があったとも思えるのですが…。シンが先に逝き、アビスが残されるという展開はすごく良いのに。素晴らしい画をパズルで完成させたのに、最後の1ピースがないような。そんなしっくりこないもどかしさが…うーん。

 
 パンチ!wwww やばい。この勢いはちょっと堪らないw
 かつては望まぬ形で引き裂かれた二人が、互いの使命に納得した上での別れを迎える流れへ。涙を流しながらも微笑むシズノに、どっぷりと気持ちを乗せられてしまった。対してキョウが妙にサッパリしてたように思えたけど、そこがキョウという人間の個性なのかなぁ。復元したキョウと幻体のシズノ、触れ合えない二人が握手を交わすか交わさないかってところで、シズノがシフトするあたり心憎い演出…。を決めた直後にガチンコでパンチ入る展開はどうですかコレw 爽やかな笑顔の次にクロスカウンターの相打ちでえげつない顔デスヨ。
 一方、シズノはセキュリティに阻まれますが、ここは随分とやっつけな描写だなぁw もう少しこう何か描けないものなのだろうか…w
 キョウとの約束を思うも、力及ばず消滅を覚悟する…なタイミングで舞浜サーバーから応援きたー。けど、なにゆえにトミガイ達まで? やっぱりこの辺の理由付けが弱く感じられてしまいます。今までは、誰が動くにしても、ちゃんとした行動原理が背景にあったのに、終盤にきてどこか強引さ、ご都合主義が目についてしまう。
 一方でゼーガの自爆パンチは、良い意味で力業だった。自爆モードを片腕に限定してぶっ放すって、新しいかも。
笑いつつも感心してしまう、この豪腕ぶりがいいのですよ。ちょっとバランスがズレるだけで、ただのギャグになってしまうけど、笑い要素と同じ分だけの勢い・熱さがあるから、方向性はともかく盛り上がりのエネルギーは凄いや。
 翼でトドメを刺す決着も、空を舞うことが色んなものを象徴してきた本作において、然るべき最後とも言えるかな。

 
 エピローグその1-妹キタコレ-
 夢ですが…(ノД`;) そういえばキョウは両親と過ごしているという設定だったけど、家族は出ていなかったね。
 さらに続いて服司令のビキニ姿と、最終回ってことで惜しみなくサービスショットを投入。最高。ミナトさん、そんな姿で司令を思っても、ギャグにしか見えなかったですがw ドサクサに紛れて決めてるメイウーの制服姿と悩殺ちっくなポーズもこれ異常(普段からこういう姿勢だったのかなぁ…)。でも最高。
 ミズサワ先生の指には婚約指輪が光り、一学期でクラゲの頑張りが思い出されます。ハヤセと一緒の眼鏡っ娘は、リボンの色からすると上級生ですが、かつてセレブラントとして戦死した恋人…だったりするのかな?
 そしてルーシェンのプログラムにより、人工の幻体であるシズノも復元が可能というハッピーエンドへ。えー救済
されちゃうの?とその瞬間には思いましたが、記憶の消失という悲劇が起きているあたりが、一筋縄ではいかないゼーガペイン。かつてキョウに起きたことがシズノの身に起きる、運命的な結果が泣けてきます。しかし、復元後に記憶が戻ることを匂わす話もあったりして、やっぱりハッピーエンドになるのかなぁ…。
 25話で正体が明らか→26話で救済という間隔もちょっと短かったかな。これは結果論ですけど、救済があるラストを選択するならば、リセット以前のキョウとの関係や、一人だけ復元されない孤独・苦悩を、シズノの視点から描いて欲しかったかも(例えば紅葉でのシーンを、セリフ抜きで事前に見せたり、或いはカミナギとペアを組む姿に嫉妬・
葛藤する場面を設けたりというように)


 

 その2-妊娠キタコレ-
 書ワラタw 作品のテーマともいうべきキャッチフレーズが安全第一と一緒すかw
 一人、復元した存在として過ごさねばならないキョウですが、持ち前の明るさとポジティブなキャラで奮闘。卒業式までに、と言っていたセリフの意味が、ちょっと読みとれなかったんですが、それまでに復元システムを構築するってことだったのかな…?キョウが水着のままアルティールに乗り込む違和感が、戦いの終わりを告げているようで、OPやEDで何度となく目にした鳩が、アルティールと一緒に飛んでいる画も印象深いものがありました。
 そしてエピローグのラスト。ただコップの水を飲むシーンなのに、質感というか肉感というか、そこに居る・在るという感覚の伝わりようがもの凄い。この1カットを、ずっとスタッフは描きたかったんだろうなぁ…とか短い時間で思ってたら、カミナギのお腹に子供がああああ!!!
 シズノとの三角関係に勝ったのか、一夫多妻になったのか。とにかく生まれてくる子供は女の子で、名前はシンで間違いないよね…?などと様々な妄想が頭を駆けめぐってしまいました。くそうw
 ところが一度落ち着いて見直してみると、灯台の描写にもの凄い差があったんですね。十数年、或いはずっと長い時間の経過が伺えるわけで、もし数十年単位の時間が経過していたならば、お腹の子供はキョウ自身?という推測も立てられてしまったりで、最後の最後までサプライズと、考えさせることを欠かさない作品でした…。

 総評。
 敢えて抑えていた序盤の地味さ加減。そして恐らく本作のピークであろう、アーク死やカミナギの一時消滅。少しずつ開かれて描かれる世界の謎とそこに葛藤し、戦いを挑む登場人物達。なにより楽しむべきはストーリーであり、
ドラマ。そんな作り手の確固たる意志が感じられる作品で、そのおもしろさを存分に味わうことが出来ました。
 中盤で迎えたピークと、終盤に近づくに連れて高まっていくテンションを、最後にきっちり受け切れたか?と考えると、若干、厳しい面もありますが、それとて完成度が高いからこそ小さな粗が見えたということになるのでしょうね。一度良いものを見ると、次はそれ以上を望んでしまう、期待感の高まりすぎもあったと思います。
 ルーシェンやメイ姉妹(巻き込まれ姉妹)がセレブラントになったエピソードなどを、掘り下げられたら…と思う反面、平坦なキャラがいてこそ、メインが輝いていたのかとも思えたりで、それぞれに短所長所があったんだろうね。
 こんなにドキドキハラハラさせられ、録画分を一分でも速く見たいと、のめり込んだ作品は久しぶりでした。スタッフの皆様、お疲れ様ででした。
 



 

   9 28 (木)   綿密。

 
.hack//Roots 第25話「Truth」 
 −脚本:川崎美羽 絵コンテ:久保山英一 作画監督:重松しんいち 演出:久保山英一 −

 
 真実。
 本作における重大な謎、志乃のPK。ゲーム版でも全く明らかにされていなかった肝心の場面ですが、ここで一番近いところまで迫ってきました。オーヴァンとトライエッジの間にある線が、一段と太くなったよう。
 レイヴンから解放されたオーヴァンの転送先は、グリーマレーヴ大聖堂。そこで志乃と再会するのですが、右腕の封印が解けて(オーヴァンがどうにかなって?)、志乃はPKされる。そして直後、ハセヲが到着したときには、トライエッジが佇んでいた…という流れでいいのかな。
 オーヴァンは大聖堂に偶然転送されたようなことを言っていましたが、とすると志乃へのメールは誰が送ったのかという新たな疑問が。フィロの病を知った上で、自分が同じというオーヴァンのセリフも気になります。
 そしてぇー!肉球団がいやし隊の母体という真実w にゃ〜んの語尾は肉球団・タビーの名残だったとは。清作の名前で気付くべきだった。しかし、あそこまで姿形が変わったらわからないよ。確かにこれも一つの真実。してやられたなぁ。だがそれが心地よいw

 
 まとめへ。
 二人のキャラクターによる対話が、本話の基本スタイルらしく、いろんなペアで話してる場面がほとんど。ともすると単調に見える構成ですが、そこは川崎脚本の真骨頂。セリフの一つ一つに、キャラの意図や心理変化がしっかりと乗せられているので、自然と会話に引き込まれていきました。
 イベントエリアにおけるタビーと三郎の偶然の出会いから別れるまでもいいな。いろんな真実が明らかになる本話の中では、かなり穏やかな場面ですが、気に入った場面です。前後左右・望遠近縁、様々なカメラポジションからもセリフにマッチした明確な演出意図、込められたメッセージが伝わってきます。
 苦手意識の表れか、引きつった笑顔で立ち去ろうとするタビーを、悪戯・皮肉を込めた笑顔で逃がさない三郎。
でも会話の後は、裏表のない笑顔を交わしている二人になっているのですよ。いい。
 このようにアップのときは、セリフを発する主体の主観が込められていますが、一端カメラを引いて望遠になると、感情移入を避け、その行動・会話だけを純然と見ることに徹底しているようです。本作の特徴的なカメラアクション。
シンプルだけど基本を外さない、感情のベクトルを明確にした演出が徹底されることで、一件単調に見える話にメリハリが効いて、深みが増しているんだろうね。
 オーヴァンを捕獲したときの記録を見るクーンも同様で、アップになると本人の感情がしっかりと表れているなぁ。

 
 フィロ、死す。
 ええええええ! ナンテコッタ…。藤太に告げていた頼みってのは、自分の死が確認された後、ハセヲへ伝言を伝えること(26話にて)でしたか…。
 敢えて色を落とした映像と、あの浮かずに歩いているという事実が、フィロのプレイヤーが死んだことを色濃くして
いるなぁ。藤太の前に表れたのは奥さんかな? 同じ声で女性ぽい口調は正直引いたw
 三郎とのやりとりを経て、自分の道を見出したタビーは清作の告白を断る。ここもまた一対一の対話を貫いている場面。そして、The Worldへの帰還を果たしたハセヲは、死の恐怖だった頃の力を失い、レベル1へ初期化された姿で、ドームの扉を開く…。

 
.hack//Roots 第26話(最終話)「Determination」 
 −脚本:川崎美羽・藤井文弥 絵コンテ:澤井幸次 作画監督:亀田義明 演出:澤井幸次 −

 
 AIDA登場。
 オーヴァンとタビーのニアミスはちと謎でしたが、後にタビーを志乃と重ねて描くための伏線?
 1stフォームに戻ったハセヲは藤太にすぐ見つけられ、フィロの死を告げられる。このシーンは前話でタビーと三郎が話していた場面と、アングルまでよく似ていたましたが、ハセヲとタビーを重ねていたのかな。
 二人の支え役だった三郎と藤太の慰労会みたいなシーンもいいね。互いに元TaNであることを告げて一区切り。
中華料理の喩えも相変わらずで、三郎の話は喩えなのに抽象的なんだけど、どこか本質を突いているという、微妙なさじ加減が絶妙でした。よく考えられていたよ。
 元TaNの二人が和んでいる様子と並行して、レイヴンへの移行組は正体不明のバグを相手に奮闘という対比。
ちょっと皮肉めいた印象だ。そして、ここでやっとアバターという単語が出た…のに映像には出さないんだw

 
 ぎぎぎ、銀の字――――――!!wwwwwwwwww
 うは、神降臨wwww なんだこの超展開。SIGNからのファンには凄まじいサプライズだったけど、完全に意味不明w
だがそれでこそ銀漢。ゲームの方にも出てきてくれないものか…。
 そしてタビーはThe Worldから離れることを決意し、志乃から貰った武器を藤太達のギルドへ預けることに(藤太は留学のためゲームを離れるようですが)。情報部も設けたらしいギルドですが…これもゲームに被ってくるのかな?
藤太の後継者らしい、お株を奪う決めゼリフも小粋。

 
 主人公:ハセヲ・ヒロイン:タビー
 ハセヲとタビーに、三郎・藤太がフォローをかけていますが、今度は三郎がハセヲの元へ。三郎の座り方が、もの凄く色っぽかった…。傍観者を決め込んでいるけど、当事者への介入には積極的。どこか憎めなくて、可愛い笑顔が持ち味の女の子。けど名前は三郎。いろんな矛盾を抱え込んだ存在だけど、気がつくと本作で一番好きなキャラになっていました。全体的に淡い色遣いで、ビジュアル的にも希薄なのに、存在感は圧倒的だったな。
 そしてヒロイン・タビー。三郎と藤太が仲介していたけど、二人が直接会うのはそういえば久しぶりなんだね。
 志乃が未帰還者になったことで、ヒロインとしては誰も勝てない階級に位置してしまったけど、ずっと側にいる人物としては、やっぱりタビーがヒロインだったのかな。このシーンはあからさまだったけど(音楽もやりすぎじゃね?ってくらいに盛り上がってた)、最後くらいはシンプルにいくのもいいもんだ。

 
 決意。
 同じ場所で同じ用意振り向く、綺麗に志乃と重ね合わせているね。看護師を目指して、志乃の世話をする宣言も、タビーらしい決意。目標を見つけたら強い女の子だ。タビーが進路を決めたところで、ハセヲもまたかつての自分を取り戻す。初期化と共に憑き物が落ちたよう。一途で真っ直ぐなタビーと、天の邪鬼なハセヲ。やはりこのコンビが帰って来るのですよ。リアルで会った、と言っていたタビーの所作にはどこか恋愛感情めいたものが見えて、けどそれは表には出さない。こういう微妙な心理描写も大きな魅力でした。
 AIDAの命名シーンで区切りをつけて(洒落じゃないけど八咫はやたらと顔アップが多かった )、それぞれに思惑を抱きながら、後はゲームへと続く。ゲーム版ではトライエッジ戦の敗北以後、ずっとハセヲとしてプレイしていましたが、ゲームのプレイヤーの知らないところで、こんなエピソードがありましたっていう隠れ要素もおもしろし。
 最後は志乃と過ごした瀑布でその幻を想いながら、現実にはスケィスの影がハセヲを覆うように赤黒く光る…。
最終回にスケィスが現れて終わるというラストは、SIGNと同様で前のアニメ作品ともリンクしているかのようだった。いやもう、これはホントに脱帽。

 総評。
 正伝のゲームに対する外伝、ゼロ・エピソード的なポジションの作品(物語が未完結)だけに、未プレイの人には、厳しかったのかなぁ…(それなりに楽しめる要素もありましたが)。ゲームをやっている自分にとっては、この上なく
おもしろい・興味深い作品で、メディアミックス前提の作品として捉えたら、これほど綿密に練られた話は、他に類を見ないと思えます。
 ゲームのVol.1,2にドンピシャで合わせたストーリー進行には、ゲームをやることで気付かされる仕掛けが随所に
溢れ、逆にアニメ版を見ることで、ゲームの方でも話が拡がりを見せる相乗効果も。小説版まで巻き込んでどこまでも商売上手とも言えますが、.hackワールドにハマれる人には、堪えられないものがあります。
 正伝を知らずば判らない話でしたが、そうして完全に割り切った(突き放した)手法でないと、おもしろさは半減していたのかもしれない。アニメ版とゲーム版の住み分け、個と全のバランス感覚が絶妙にコントリールされて初めて、互いを高めあえたんじゃないかな。
 アニメでは、リアルでの話を上げながら、その描写は志乃のPKの回だけという風に、徹底していたし、人間関係を重視した作風で、他の媒体では味わえない面白味を追求していたようだし。真下イズムも健在で、その空気・雰囲気が好きな人には、やっぱり手応えがありましたよ。
 アリプロの音楽がちょっとくどくもありましたが、OPのSilly-Go-Roundは今季で一番好きな曲でもありました。
 



 

   9 27 (水)   回帰。

 
仮面ライダーをつくった男たち/村枝賢一
 ご本人もライダーの大ファンであり、SPRITSを手掛けておられる村枝先生ということで、仕上がりに期待してましたが、これは…泣けた。こちらのサイトにありますが、伝説の幕開けショットにシビれました。

 
NANA 第26話「乱れるハチの心」 
 −構成:ふでやすかずゆき 絵コンテ:高橋亨 作画監督:馬場健・阿部純子 演出:高橋亨 −
 うわ、先週の女性はやっぱりレイラだったんすね。蓮×ナナ、巧×ハチ←ノブという関係に加えて、レイラ×シンが追加(ヤスが元カノだからほとんど全員絡んでるね)。レイラと関係をもった後、ヤスと顔を合わせたときのシンの翳りある表情が印象的。ここ2,3週間で、シンの存在感は一気に高まってきたなぁ。
 冒頭のベッドシーンから、ブラストの練習を経て再びレイラの部屋へ…という構成、さらにはシン×レイラの打算的な関係を描くシーンと、ノブとハチのマジモードな恋愛を交差させる演出も絶妙だわ。
 ノブとハチの仲は、一端落ち着いた(落ち着かせた)ような気配だけど、逆にハチの心はサブタイにあるように乱れまくり。章司なんてどこいってしまったんだw
 そんな不安定な状態のハチを残してナナは2週間、家を出る。取り残されるハチはどうなってしまうんだろう。
 



 

   9 26 (火)   本家本元。

  ゼロの使い魔9 <双月の舞踏会>/著:ヤマグチノボル 画:兎塚エイジ
 前巻であれだけのロマンスを見せ付けながらも、やっぱり想いがちぐはぐな二人。新刊が出る度に、二人の関係はリセットが掛けられているような錯覚を覚えますが、三歩進んで二歩下がるくらいには進展しているのかな。
 サイトの立場が変わることで、新たな不安・心配が尽きないルイズですが、シエスタにライバル心を燃やすという
動機からの、圧倒的なデレ攻勢が凄いね。川の字のシーンのデレっぷりが可愛くて仕方なく、アンリエッタに対する宣言は実に凛々しいものがありました。
 コミカルなパートも、相変わらず筆は冴え、前巻でサイトが想像してた胸裁判が現実のものになったときには、声を上げて笑ってました。
 タバサの行方に関してヒキを残しましたが、親友の生い立ちを知るキュルケが動かぬはずはなく、次巻でルイズ達と共にフォローに回りそうな。そしてキュルケといえば、コルベール先生の復活劇。いやはや、なんともダイナミックな仕掛けを施してくれたもので。ラスト十数ページの末足は相変わらず健在だ。
 



 

   9 25 (月)   竜頭蛇尾。

 
ゼロの使い魔 第13話(最終話) 「虚無のルイズ」
 −脚本:吉岡たかを 絵コンテ:岩崎良明 作画監督:藤井昌宏 梶谷光春(メカ) 演出:岩崎良明 −

 
 いきなりの戦争モードへ。
 最終話にて戦争始まるという(当然終わらせなければならない)、詰まりに詰まった構成が苦しい…。加えてサイトの帰還にまつわる話も描かねばならないときたら、序盤から風呂敷を強引に畳む展開はミエミエで。
 サイトを想うようになったがゆえに、そっと部屋を出て従軍する流れは決して悪くないのですが、これが前話くらいにあればなぁ…。そしてドサクサに紛れてアンリエッタの戦装束エロス。

 
 メカー。
 エンディングクレジットにメカの作画監督いたけど、描いたのって零戦だけだったのかな?w タバサの協力を得て勢いよく舞っていく場面や、トリステインのピンチにタイミングピタリで駆けつけるシーン単体はいいんですけど、戦争ごっこが全部ギャグにしてくれた…(ノД`;)
 空飛ぶ船に騎兵でチャージ!やべーこれ楽しそうw どうやって攻略するつもりだったんだろう? そしてレコンキスタ側も単艦での襲撃ってありえないよw なんだかなぁ……。
 フーケとキュルケの対決、ゴーレムの攻略法見つけて燃やし尽くす展開も、やっぱり単体のシーンとして捉えればいい出来なのに、戦争の方でやることないから駆り出されました、て気配がありありで不完全燃焼。ワルドも、「あ、いたの」くらいの存在感しか感じられなかったです…。
 アイキャッチの全体図が最後に来る構成はお約束ながらいいね。

 
 うわー…。
 どこまでやっつけ仕事なんだろうw ルイズが我が身を省みず、サイトの零戦に飛び込んでデレ、までは良かったのです。さっきからこんな書き方ばかりだけど、ホントにこの作品は良いところと悪いところがはっきりしすぎるw
 虚無の目覚めは、ガンダールヴとの繋がりを強調するオリジナルアイデアは悪くなかったんですが、ルイズが自らの意志で振るわないのは、ちょっと違うんじゃないかな。描写が下手なのか、狙ってやっているのかわかりませんが、これじゃルイズが虚無に操られてるようにしか見えません。その後のエクスプロージョンの描写は…もう語るのも辛くなってきた。ホワイトアウトだけってこれどうなんすか。そしてクロムウェルの最後は、完全にギャグだと思った。
 サイトが自分の世界へ帰る道をあきらめて、ルイズを選んだこと。日食明けの余韻も台無し…w

 
 こういうところは凄く良かった。
 デレモード全開でクライマックスを迎え…たかと思えど、そうは問屋が卸さず。しっかりヤキモチ焼きのツンで締め括るゼロの使い魔でした。

 総評。
 擬音や感情を積極的に入れるマンガ的な演出が多様されたり、ワタルのエクスキューズミーを彷彿とさせる場面転換があったりと、話全体にリズム感があり、オリジナルの作風に沿ったスタイルを見つけ出したものだと関心していました。メインキャストの起用も上手くハマり、本作最大最強の魅力である、キャラクターの個性もしっかり引き出されていて、さすがは岩崎良明監督、と唸るクオリティだったのですが。
 シリーズ構成と脚本がまとめきれなかった。シーンごとの演出や会話はそれなりのものを魅せてくれたけど、一話ごと、シリーズ全体を通しての組み立てが出来ないことには、物語のおもしろさは半減。
 ゼロの使い魔アニメ化ときいて、まず浮かんだのはどこで区切りをつけるかだったんですが…その危惧が、ものの見事に具現化されてしまったのは、誠に残念。
 シエスタのオリジナル話を入れずに、後半もっと余裕を持てたらもう少し違った印象になっていたのかなぁ…。
 



 

   9 24 (日)   三条節よ永遠に。

 
ガイキング -LEGEND OF DAIKU-MARYU- 第39話(最終話) 「君の地球・君の未来」
 −脚本:三条陸 作画監督:大塚健(メカ) 山崎展義・山崎健志(キャラ) 演出:細田雅弘 −
 先週のヒキでプロイストの生存を匂わせていたから(このパターンもちょっと食傷気味だったね)、何をしでかすかと思えば、結局、盛大なDQNっぷりを見せ付けて消滅という、どこまでもプロイストらしい最後だったw 父親というキーワードを軸にすれば、ひたすら真っ向から正義だったダイヤの影・対的な存在であったといえるのかもしれないが…いやいや、やっぱりただのDQNかw
 改めてダイヤ父との再会在り、ダリウス大帝システムの解説あり、ダリウスと地上の和解ありと、ほぼ39話全体がエピローグのような扱いで、先週の驚異的な盛り上がりを受けて、ガイキングという作品を締め括るに相応しいラストでした。

 
 そして本エピローグでも外さないwww
 …おや? 37話で壮絶な戦死を遂げたはずのディックが、なんの脈絡もなく生きてるっぽいんですけど?wしかも、その1カットだけ差し込まれた後は完全に放置。直前の「ディックがずっと44番である」というダイヤのセリフまでなんだったんだか?w ついでに、確執のあったディックの父とダリウス軍に荷担したNEXの顛末も完璧にスルー。けど、まあ多少の抜け・漏れがある(完璧じゃないない)ところも、三条作品の愛すべき魅力なんだろうね。細かいことは
気にするな!と言わんばかりの豪放磊落なラストこそが、心地よいものですよ。
 5年後、ナオトの成長っぷりに噴いた。ピュリアといい仲になってそうですが、登場早々、そのピュリア(女の子)の顔面にグーでパンチをいれる主人公ってありなの?w
 そして何事もない平穏無事なEDなど、この作品に相応しいはずもなく、宇宙怪獣の攻撃という、最後の最後までコテコテな展開でガイキング再び。第一話を彷彿とさせる、ダイヤが大空魔竜に飲まれる構図もたまらないね。
 ルルの新デザインに昨今の流行に堂々迎合なツイテ採用も流石。頬にダリウス人の血を引く線もあり。リーさんとヴェスターヌの間にも、地球・ダリウス人のハーフが生まれないものか。 シズカさんもサコン先生との間には待望の子供が…て、授乳中にも恒例の特大レバー降ろすこのこだわりよw キャラへの愛が溢れているなぁw 最後に隠居
したガリスが、のんびり模型組み立てている1ショットでオチを付け、ガイキングが見栄を切って終わり。うむ。見事。

 総評。
 大空魔竜、それは無敵の機械竜!ガイキング、それは熱き炎の戦闘巨人!
 今この二つの力が一つとなり、明日の世界を守り抜く。キミも心にその名を刻め、大空魔竜ガイキング!

 て、今時こんなテキストを惜しげもなく振るえるのは、やはり三条陸を置いて他にないんだろうね。一分の隙もないコテコテな(←誉め言葉)熱血冒険活劇でした。「今どきガイキング?」な第一印象から始まったアニメが、最終話を迎える頃には、あー、これでもう見納めなのか…と思うほどに転んでました。「今の時流にこのデザインはどうよ?」と思ったメカ達も、フェイスオープンを過ぎたあたりから、格好よくと思えて仕方なかったです。
 あの強烈なDQN・プロイストが、実はラスボスだったというオチも、ある意味斬新(同時期の作品に喩えると、うたわれのハウエンクアがラスボスになるみたいなもの?w)。ただ、逆に言えば魅力的な敵役がいなかったとも言えるわけで、ちと残念。ノーザやヴェスターヌはパーティ入りしちゃうしね。
 同じ三条作品にある大魔王バーンのような、カリスマと強さを備えた巨悪の不在。その顕著な例が、プロイストの乗る格好悪いメカが、普通に格好悪いことかな。ぶっちゃけ、この作品に格好いいメカがあったか問われると答えに困りますが(敢えてレトロなデザインを登用していたからだろうけど)、でもそこにパイロットの意志が込められ、仲間から託された思いが反映されるから、格好良くないメカが格好良く見えるんですよね。鬼岩城も大魔王バーンの居城ゆえに恐怖や畏れが感じられましたが、ドボルザークやダリウス17世にそれらのものがあったかと思うと…うーん。
 ノーザの登場→フェイスオープン
 超魔竜ドボルザーク→ガイキング・ザ・グレート
 ダリウス17世→ガイキングザ・グレート フェイスオープン

 といった瞬発的な進化も冒険活劇には欠かせない手法ですが、主人公側の高騰に対して、相応しいラスボスが
見えずで、このあたり、敵役への力配分が少し足りなかったかと思います。OPのシルエットから、期待感が膨らんでしまったのもあるんだろうけどね。キャラとしてはすごく立っていたんですけどw
 さりとて、その話・シーンごとの完成度は素晴らしいものがありましたし、数々の名エピソードがありました。ノーザとの対決映像には息を飲んだし、ピンクのカバエピソードはいろんな意味で伝説になり、サスページは存在そのものが…w
 敵将ノーザとヴェスターヌの味方編入、クールで危ないパイロットの登場など、ダイの大冒険に当てはめたら、確実にピッタリ収まるんじゃないかと思うほど、三条陸らしいキャラクター編成で、どのキャラに対しても、制作陣からの愛に溢れていたと思います。ダイヤ・ルルの間にディックが入り込んで三角関係…という狙いが当初はあったのだろうけど、ここは描ききれなかったかな。三条作品と複雑な恋愛要素は相性が悪いのか、時間が足りなかったのか。
 メカパートにおいては大張正己をトップに、一線級の若手・ベテランが勢揃い。こんなに美味しい映像は滅多に味わえなかっただろうし、サイキックラバーに串田アキラも加わった音楽パートも、とんでもない熱さが滾っていました。
 近年希に見る正道アニメだったね(たまにとんでもない邪道もあったけどw)。イヤホントに楽しかった。
 スタッフの皆様に百万の感謝を。
 



 

   9 23 (土)   物思う。

 
彩雲国物語 第21話「君子危うきに近寄らず」
 −脚本:吉田玲子 絵コンテ:水野忠政 作画監督:李敏培 演出:高木秀文−
 龍蓮きたー。
 て、おまえ今までなにしてん?w 変人ぶりを盾になにやらえらい特別扱いを受けていたような気がしてならず。
各方面から高い評価を得ており、実際に榜眼及第という実力も見せているんですけど、直接視聴者の目に見える所では変人でしかないので、どうも重みがないというか、信憑性がいまいちというか。そんな変人が、やっと汚名返上の機会を得た…のかな? 主上とのやりとりで、それなりの人物に見えてきたけど、錯覚…じゃないよね。
 香鈴もやっと秀麗に目通りが叶うものの、本人を前にして罪の告白と謝罪が出来ず。後宮にいたときよりずっと背も伸びて、大人っぽく見えましたが、その分、自覚が強くなりすぎたのかな。既に真実を知っている秀麗と、この先
どのように決着を付けるか、茶州に着くまで(或いは着いてから)の見所かな。
 その他、霄太師らが、また悪巧みしとるようですが、隼凱の爺さんが茶太保の霊を見て平然としている様子を見るに、あの豪放な爺さんも八仙の一人ということか。
 そんなこんなで、あちこちに思惑や動きがありますが、そろそろ下拵えを終えて、本格的に茶州編に入って欲しいところです。

 
Blood+ 最終話「ナンクルナイサ」
 中盤までは興味を惹かれ、それ以降は惰性で見続けていましたが、尻すぼみで終わってしまったかなぁ…。
特に4クール目に入ってからのダラダラ展開と、最終決着が予定調和過ぎて萎え。49話で敗れたアンシェルにしても、最後に行く手を阻みにくるなこりゃ…と思ってたら全くその通りに現れるもんだから、思わずあは!と笑いが込みあげてしまった。ディーヴァとの決着も消化不良だし、ルルの問題がエピローグの説明セリフだけであっさり解決されたときは、一瞬、ギャグかとさえ思った。
 コンセプトは面白いと思えたし、事実、開始当初は結構食らいついていたんですが、なにゆえこんなに盛り下がる結果になってしまったのか。エピローグでカイが小夜に会いに行くカットは素晴らしかったと思う。あのラストショットで終えることはかなり前から決まっていたように思えてならないのになぁ…。スタミナ切れだったのでしょうか。

 巷では「土6」という、時間枠をブランド化したフレーズを見聞きしますが、この枠で自分が心底惚れた作品て…
なかったりします。強いて上げればハガレンかな(終盤のストーリーに若干不整合を感じています)
 自分の周りの人間や、巡回するサイトをみると、どうにもブランドとして持ち上げられるだけの理由が見つけられないんですよね。好き嫌いは個人の嗜好によって違いが出るものだし、自分の趣味と合致する場のみを基準として、一概に判断することは出来ませんが、少なくとも「土6」という看板を一端降ろしてみてもいいんじゃないかな。
 極端に穿った見方ですけど、盛り上がっている(ように見せている)のは、レコード会社ばかりに見えるんですよね。CD売るためのキャッチコピーとして、「土6」というフレーズがいいように使われているようで…正直忍びない。
 土曜6時という時間ゆえに、子供の目を意識せずにいることは出来ないし、と同時に大人も満足できるクオリティを魅せる。この双方を兼ね備えた作品作りを、本気で目指しているのか。或いは目指しているとして、現実にはズレが生じてやしないか。そんな疑問が浮かんでしまう、今日この頃の「土6」です。
 



 

   9 22 (金)   いい球!

 
¢うたわれるものらじお 第12回
 お、お、おおお大原さん!
 柚姉VS大原さんという修羅場をドキドキしながら待っていたら、なんと柚姉が無念の欠場。そんなわけで鬼の居ぬ間のなんとやら、瞬発力では柚姉に勝とも劣らない大原さんの猛烈ラブアタッ クが炸裂。二人であんまりにしゃべり過ぎるもんだから、またドリグラのコーナーが割愛じゃないですか!w
 この番組を聴いている柚姉は、開始5分にはPCのマウスをバキッと握りつぶし、間をおかずシュッ…シュッ…と、特大フォークを研いでそうな光景が浮かびます。怖い怖い。
 そして写真が「あててんのよ」に見えてなりません。

 
ウィッチブレイド 第24話(最終話)「光」
 −脚本:小林靖子 絵コンテ:森田宏幸・大橋誉志光 作画監督:うのまこと 演出: 林直孝 −

 
 OPがXTCに。
 第二期に変えた意味は結局なんだったんだろう…。
 前話まであんなに騒いでたアイウェポンの放置ぷりに泣けた。アイウェポンとネオ・ジーンの敵としての存在感がどこかバランスとれていなかったような。まりあはラスボスらしくもっと堂々と現れて欲しかったなぁ。
 あおい、あさぎはブレイド装着姿を初めてみせたその日に砂。最終回とあってか、怒濤の死亡ラッシュだ。あおいは我を失って独り相撲の後にブスリ。後で雅音も見せるけど、装着が半分人間になると、エロ度が跳ね上がるわ。あさぎは、まりあの本質=空虚を指摘したことで逆鱗に触れてやっぱりプスリ。今まではかわせていたのに。そして装着姿も、特に耳が兎っぽくて可愛かったのに…。
 そして極めつけが西田博士。状況も忘れて調査に没頭するあまり、車ごとアイウェポンにプチッと踏みつぶされる場面にコーヒー噴いたw
 斗沢が今までの取材結果を元に雅音の援護に回ったり、梨穂子が第一話で約束した東京タワーを目指したりと、集大成的な話作りもよいね。特に東京タワーの挿入はニクイったらないですよ。

 
 母。
 まりあの求めたものは玲奈であり、ずっと見続けていた幻影にやっと辿り着いたことで、安らかな死を迎える。これ以上ないっていうくらいガチな展開でしたが、それでもホロリとくるのはこの作品のテーマ性ゆえかな。笑顔のまま高質化していく描写もいいね。
 そして本当の娘のため、命を散らす雅音。梨穂子と意思疎通する機会を得るものの、アイウェポンと共に光に…。
こういうラストを迎えることは判っていたんだけど、その上で救いがもたらされることを願わずにはいられなかった。
けどやはり、別離EDになるんだよなぁ…。「いつも一緒にいるよ」というメッセージを残した後に、桜貝が梨穂子の元へ還ってくるのですよ。このラストシーンで数年後…なんて余計なエピローグを残さない潔さが、切ない余韻を綺麗に残してくれました。

 総評。
 開始当初の作画にはどうしようかと思いましたが、数話を経てエンジンが暖まってくれば、あとはゴールまで綺麗に駆け抜けてくれました。親子愛というテーマを追う中では、多少あざといと感じるエピソードや演出もあったけど、そこをいやらしく感じさせない工夫が丁寧に施され、甘いだけでも苦いだけでもない、程よいさじ加減が絶妙でした。
GONZOらしいテイストも随所で・存分に味わえましたし(ホントに開始時はスピードグラファーを思い出さずにいられなかったw)
 荒削りな部分も若干あったけど、伝えたいこと・描きたいことがダイレクトに伝わってくる。ド真ん中に放たれた会心のストレートを、ミットでがっちりキャッチングした。そんな手応えを感じた一作でした。
 スタッフの皆様、お疲れ様でした
 



 

   9 21 (木)   淀んでいる……ッ

 
ZEGAPAIN 第25話「舞浜の空は青いか」 
 脚本:村井さだゆき 絵コンテ:中山勝一 作画監督:鎌田祐輔(キャラ) 池田有・有澤寛(メカ) 福島秀機(CG)
 演出:中山勝一
 「わたしたち、乗っ取られちゃいましたー♪」
 前話で決死のバックアップを見せてくれたオケアノスのAI達が、ナーガの側に置かれるというショック。背景の色が青から赤になった図柄が判りやすくていいね。敵に乗っ取られたとはいえ、各AIの個性がそのまま残されているのもやるせない。共に戦い続けてきた仲間が、そのままの姿で敵になるというのは、なんとも痛々しい話だなぁ。
可愛らしい笑顔で、えげつないことをやってくれるギャップがダメージでかいぜ。
 そして戦場は舞浜サーバーへ。マインディエの攻撃をセレブラント達がダイレクトに防御出来たのは、量子の世界であるがゆえか。初見時にはご都合主義に見えたけど、よくよく考えればアリなんだよね。映像的にはビーム撃っていたけど、むしろ電子戦的な内容だったというべきか。
 思い出の場所が一つまた一つと消されていく展開に、胸を揺さぶられました。今まで過ごしてきた舞浜の世界が全て伏線として活きているじゃないか、くそう。
 終盤に来て微妙に存在感の薄くなっていたクリスが、ここにきて起死回生の手を打つ…?ように見えて、結局消化不良のまま終わってしまったのは残念。AI達によりシズノの正体もとうとう語られましたが、今まで存分に出されていたヒントの通り…なのは全然いいんですけど、演出的にあっけないというか、物足りないというか。告げられた後のキョウ達の対応まで、イマイチ盛り上がりに欠けて見えてしまった…。アビス・シンとの決着も然りで、単機でオケアノスを散々苦しめた二人の最後が、随分あっさり風味だった。
 そしてキョウ一人が復元する最後。こちらは逆にシーン単体の演出としてはすごく良かっただけど、そこに至るまでの流れに、大きな淀み・歪みが感じられてしまいました。
 物理操作のために人の手が必要と言っていたけど、ゼーガペインで出来るんじゃね?くらいのレバー操作だった(どうしても人の手が必要!という強い動機付けが見られなかった)し、なぜキョウがやるの?という理由の説明が、全くなされないのはどうかと思った。ゆえにカミナギとの別れのシーンも、力業に見えてしまった。ちょっと詰め込み気味になってしまったのかなぁ…。
 物語として描くべきポイントは抑えているし、破綻しているわけでもない。話の筋は良かったと思いますよ。けど今までゼーガペインの大きな牽引力だった脚本・演出面で(それも最終回を前にして)、このような思いを味わうことになろうとは思いもよらず。この尋常ならざる勿体ない感、やり場のないもどかしさのはけ口を、どこに求めたらいいのだろうか。
 



 

   9 20 (水)   相乗効果。

 
NANA 第25話「誰にも渡したくない」 
 −構成:ふでやすかずゆき 絵コンテ:坂田純一 作画監督:金東俊 演出:渡邉勘治 −
 脚本の面白味。
 奈々とナナ、シンとノブというラインが機軸にあって、奈々・巧・ノブと、ナナ・ヤス・蓮の面的な関係が並立して、
立体的に組み合っている。終わってから整理してみると、こんな一話だったのかな。30分枠のなかを、一時間ドラマ一本分くらいの内容が進行する脚本に酔わされてしまった。密度の濃い、けど緊張を強いられるだけでもない、こういうのをプロの仕事って言うんだろうね。
 しかしまあトラネスが物語に入ってきてから、ぐっと深みが増してきたもので。今まで存在感はあったけど、前面に出てこなかった、シンやヤスにスポットが当たってきた し(当たり方が変わってきたと言うべきか?)。登場人物が増えてきたことで、今まで以上に個が活きるようになっているのもいい。
 物語としては、ハチへのノブの告白、ナナが蓮と同居の前フリ、ブラストのプロデビュー?と、息をつく間もなくイベントは起こり、流動的な状況が続く。シンが合ってた女性は一瞬レイラのようにも見えたけど、別人かな。

 
.hack//Roots 第24話「Confront」 
 −脚本:川崎美羽 絵コンテ:清水久敏 作画監督:丸山隆・佐々木睦美 演出:清水久敏 −

 
 繋がった!!
 ゲームの時間軸と、ついに重なりました。ボルドー達を上から見下ろす構図は、まさにVol.1のスタートポジション。
その後の戦闘は省略されていますが、ゲーム版のオープニングとしてド派手な戦闘を見せています。このムービーで、100人斬りについて触れていたのも、22話の話がちゃんと繋がっていたんですね。改めてゲーム版を見て気付くことがあるってのが、メディアミックスの醍醐味だわ。しかしボルドー、藤太にはかなり強気な発言をしていたけど、実際にはまるで歯が立たなかったのか…w
 タビーと三郎、再び。肉球団は解散し、ハセヲからも別れを告げられ、途方にくれていたタビーですが、志乃を救うために、自らアクションを何も起こしていなかったことを指摘されて、愕然とする表情が素晴らしい。タビーのやりようについては賛否様々にあったけど、その内面や動機について真っ直ぐに突いてきたのは、三郎が初めてだったか。「ははーん?」と微笑みながら斬り込んでくるのがいい。すごくいいぞ三郎。

 
 ゲーム版にあったらしい溝。
 アニメ版のメインキャラは、オーヴァンを除けばゲームにはほとんど出てこないので、タビーの視線を受けていたり、フィロとコンタクトしていた事実に驚かされます。そもそもアニメ版の最後は、ゲーム版のスタートに繋がるとばかり
思っていたので、よもや重なるとは。
 月の樹の榊と死の恐怖・ハセヲの口喧嘩、実際のシーンはこんなんで、ハセヲとオーヴァンの会話シーンもこちら
 プレイヤーの分身たるハセヲの主観で進むゲームに対して、第三者の視点で物語の推移を見守るのがアニメ版。視点の違い一つをとってもおもしろいもので、オーヴァンとの会話シーンで一目瞭然。ゲーム版の方が、ハセヲは
ずっと冷静で穏やかなんですよね。けど、これはハセヲ本人にはそう映っているもので、他人から見ればアニメ版のような状態にあったという表現にも受け取れます。両方を見比べて判る相対性とその差が、実におもしろい。
 そして、トライエッジとの再会を確信するハセヲの笑顔が超ステキ。かつてのハセヲを知るタビーの目には、別人
として映っているようですが、これもまた過去との相対になっているわけで。

 
 対決。
 サブタイにある通り、トライエッジとの戦いが。大聖堂にたどり着いたハセヲのが妙に穏やかなのは、志乃に思いを馳せているのか
(直前に出会ったアトリの影響もあるんだろうね)、トライエッジとの戦いを前にした覚悟なのか。どうとでも取れる表情が絶妙。
 そして三郎、おまえ現場にいたのか!ゲーム版では全く描かれていないので、同じ場面でも全く別の顔を見せて
くれるものです。またしても決着までの過程が省略されていますが
(データドレインを見せたくなかったのかな?)、実際の戦闘はこんな感じ。トライエッジの登場シーン、その名の由来にある三爪の双剣を構える描写などは、そのままだなぁ。この戦闘の様子も、レイヴンのメンバーにストーキングされていたというのも新たな事実で、ゲームからアニメへ、アニメからゲームへとフィードバックを繰り返して、互いのストーリーに深みを与える。相乗効果してます。
 ハセヲが消え去った後、残された三郎とやってきた藤太の間に流れる空気が、またなんとも言えないね。

 



 

   9 19 (火)   もう来季の話がちらほら。

 ¢2006年秋のアニメ新番組主題歌一覧表
 速くも改編期。来季も粒ぞろいのようですが、プロモを見て手応え充分なのは以下の2本。

 ○コードギアス 反逆のルルーシュ/Flow
 エウレカの第一期を思わせる、力強い疾走感が心地よく。
 谷口監督ってことで、本編も楽しみです。
 ○幕末機関説 いろはにほへと/Fiction Junction YUUKA
 心の琴線を揺らす梶浦サウンドは健在。焔の扉に近い感じかな。

 あと個人的な期待が膨らむのがこの4曲。
 ○あさっての方向。/Suara
 ○武装錬金/福山芳樹
 ○パンプキンシザーズ/高橋洋子
 ○シルクロード少年ユート/ザ・コブラツイスターズ

 武装錬金の福山さんはガチとして、うたわれるもので一躍躍り出たSuaraさん、大御所の高橋さんには高い期待を寄せてしまいますね。OPにJAM、EDに栗の子と手堅いチョイスですが、サイバスターやOVAから続く、「本編はどうしようもないけど歌の出来は素晴らしい」という伝統に期待したいw

 そしてKanonのOP映像も既にあるようですが、なんつー映像美だコレ。京アニ作品を神と評すること自体、陳腐と
さえ思えてくる状況はなんなんだろう。EDの方もノスタルジックな構図で、自分の世代だとダンバインのそれが思い出されてしまうね。
 珠玉のOP、EDに出会える日が今から待ち遠しい限りです。

 
GRANRODEOのInfinite Loveが「I・G・P・X!」してる件について
 検証映像。飯塚先生はちょっと職員室まで来な(以下。
 にしても、GRANRODEOの曲はカコイイ。
 ちょっと強引な圧縮をしているため、環境によっては見づらいかもしれません。うまく再生出来ない方には、VLC
などをお奨めします。
 



 

   9 18 (月)   単調?

 
ゼロの使い魔 第12話 「ゼロの秘宝」
 −脚本:吉岡たかを 絵コンテ:大上相馬 作画監督:冷水由紀絵・木元茂樹 演出:高島大輔 −

 
 帰還。
 務めを終えて王女に報告を行うルイズですが…やっぱり、アンリエッタとウェールズの繋がりが弱かったせいか、感情移入出来なかったです。
 学園に戻ったルイズに初めて、虚無の使い手としての話が告げられ…。この学園長も普段は抜けているようで、
本番には強い、的なイメージあったけど、実際のところ本番でも穴が空きまくりなので、真面目なシーンがきても、
どことなく発言に重みが見えないんだよね。

 
 ぱんつ。果てしなくぱんつ。
 サイトの選択がこんな伏線になっていようとはw
 前話のラストにあったキスから、サイトを男として意識してしまうルイズ。今まで服を着せる際に、恥じらいなど全くなかったところから、現れただけでクローゼットの扉に身を隠すという変わりよう。この瞬間こそ、ツンデレの魅力を
最も大きく感じます。
 その後も、ツンとデレの天秤が揺れる。今までは漠然とサイトに感じていた気持ちですが、自覚が芽生えることでその重みは激変。感覚的なものから感性的なものへと移り変わる気持ちが、素晴らしいね。
 ルイズは堂々見せておいて、シエスタの方は鉄壁を貫くメリハリもまたよく。ただキャラの登場シーンにパンショットが多様されすぎて、ちょっとマンネリかな。

 
 本格的ツンデレ。
 いつ・どこであっても、サイトにモーションをかけるキュルケ、この節操のなさこそ身上。コルベール先生も同道して竜の秘密を解くわけですが、そんな中でもサイトとルイズの間には溝が。互いに相手を強く意識するがゆえに、反発を起こしてしまう様子が若々しくていいね。前話の序盤で描かれた距離感と比べると、ずーっと近くなっているのに、顔だけはそっぽを向いてしまう。二人の関係の変化も、こんなところにしっかりと落とし込まれているのかな。
 アルビオンではレコンキスタによる建国宣言がありますけど、うーん、トリステインとの関係性や、情勢が掴みづらい。この辺の解説は、切り捨てているように思えてきましたが、どうなんだろう。

 
 竜の衣とサイトの故郷。
 そんなわけで、トリステインと地球の繋がり、そして帰還の道が見えてくる。ここからはオリジナル路線になるようですが、サイトの帰還を耳にしてルイズに衝撃が走る流れもよいよい。ただ、全体的にどこか演出に単調さが見えてしまうんですよね。エクスキューズミー!のような場面転換もその一例ですが、良くも悪くもパターン化しているという感じがします。
 この場面で終わって、最終話でまとめきれるのか、心配。前話のように、ギチギチに詰め込んだような展開にならないことを祈ります。



 

   9 17 (日)   それなんてエロゲ?

 
僕たちの戦争
 終戦記念日から一ヶ月も過ぎて、また随分とタイミング外してましたが、予想外におもしろいドラマでした。
 現代の若者と終戦直前の航空隊隊員(顔はそっくりという設定で一人二役)が、何かの偶然で入れ替わるところから始まり、現代・過去の二つのラインが同時に進行しながら、二人がそれぞれの時代に大きなギャップを感じながら進む物語。
 戦争の待った中に放り込まれた現代人の境遇がとにかくおかしかった。こんなくだらない戦争で死んでたまるかと、いろんな手を尽くすものの、本人の意志とは裏腹に特攻隊・回天の搭乗者へと志願させられていく過程が、実に滑稽。
 特攻隊への志願を問う場面では、紙に○×を書かせて意志を問う話だったのに、集めた用紙を隊長が投げ捨て、「我が隊に臆病者は一人たりともおりません!」の一言で強制的に全員参加させられてしまう し(まじで噴いたw)、玉音放送を聞き終えて、さあ戦争が終わったぞ、と思ったら、「我が国が負けるハズなどない!」と、ポツダム宣言の受諾を頑なに受け入れない艦長の元、米軍艦に特攻をかけるハメに。
 そのたびに、「はぁ〜〜!?(怒)」という心底たまらない様子のツッコミが、素晴らしいテンポで入り、この上層部のDQNっぷりが滑稽に見えるのですが、そうやって笑いとばすことで(ドラマとして過剰気味ではあったけど)、如何に当時の日本が迷走していたかを、痛烈に皮肉ってもいたのかな。
 一方、現代に来てしまった軍人の方は、本当のことを話しても病人扱いされるため、記憶が混乱したことにして、
入れ替わった本人に成り済まします。そこで恋人ともそのまま付き合ってしまうのですが、「別人だったら、わたしが気付かないわけない」と言いながら(実際には気付けずに)、入れ替わった軍人の子を身ごもるという怒濤の展開。これなんてエロゲ?
 過去に戻った現代人は、最終的に恋人の祖父が死なせないために、自分が身代わりとなって回天に乗り込んで、米艦へ特攻をかける。けど、その恋人は自分と入れ替わったソックリさんの子供を身ごもっているわけで、理不尽な戦争に意味も分からず巻き込まれ、寝取られた恋人のために死すという、あまりに切ない話に、最後は泣けてきた。
 結局、衝突の瞬間に、元の時間軸にそれぞれ戻ったようにも、結局、そのまま終わったようにも受け取れるEDで終わり。個人的には前者だと思うのですが、どうなんだろうなぁ。
 



 

   9 16 (土)   箸休めならばこそ、脇を締めよう。

 
彩雲国物語 第20話「枯れ木に花咲く」
 −脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ:矢吹勉 作画監督:大谷肇 演出:朴起徳−
 静蘭の少年期から凋落までの過去をダイジェストに。
 何故に王宮を去らねばならなかったか、という理由込みできっちり描かれていましたが、静蘭の不憫さが引き立ちすぎて、胃にもたれました。劉輝との絡みもあったし、この手のシーンは腐女子の方々には受ける場面んだろうか。
男の自分にはちょっとついていけない話でした。あと、緑川光さんの声色がどうにも合わない。昔は結構好きな声優だったんだけど、ナルシストぽい空気を帯びてからはどこか敬遠気味になってしまった。
 王宮から逃れるまでで、その後紅家に拾われるまでは描かず。茶州で過ごしていたようですが、秀麗の茶州赴任に伴い、その辺りの過去を交えていくんだろうね。しかし、随分と露骨な伏線だなぁw
 20話にして前王も登場。大きな痛み(国が傾くほどの粛正・改革)を伴わなければ、国が滅ぶと理解していた前王ですが、結局、自分の手ではなにも出来なかったようにしか見えなかったんですが…。霄大師が前王の命にずっと従っていたくらいだから、さぞかし大した王なのだと思っていたけど…ダメすぎね? 民を救う手立てを用意しながら、国が疲弊するまで待ってる霄大師もどうなんだこれ。
 静蘭中心で肝心な場面は見せず、下準備に徹した一話ゆえに、面白味はちょっと薄かったかな。あと伏線を張るにしても、もう少しヒネリを加えてもいいのでは…w
 




←前の月へ  ▲ページトップへ  次の月へ→